コンビニエンスストアの「サークルK」と「サンクス」が30日、国内全店舗で営業を終了する。コンビニ大手「ファミリーマート」との経営統合完了で、ともに1980年の1号店以来、親しまれてきた看板を下ろす。12月以降、順次ファミマに衣替えして再スタートする。

29日午前10時、96年開店の「サークルK尾西開明店」(愛知県一宮市)が最後の営業を終えた。閉店前の商品がまばらな店内は、別れを惜しむ常連客でにぎわった。同店は12月から、近くの別の建物でファミマとして再開する。

店長の日置達男さん(54)は扉を閉め、店先で「さみしいが、ファミマとして今後もよろしくお願いします」とあいさつ。近所のアルバイト、三輪貴弥さん(27)は「初めてのアルバイト先がこの店。青春を過ごし、その後もよく来ていました」と名残を惜しんだ。ファミマの沢田貴司社長も駆け付け、日置さんらと握手を交わして「これからが本当の勝負。さらにパワーアップしてもっと愛される店にしていきたい」と話した。

サークルKは総合スーパー「ユニー」傘下のコンビニとして80年に名古屋市に1号店をオープン。同年設立のサンクスと2004年に合併し、38都道府県で最大計6373店舗を展開して業界4位になった。

16年9月、ユニーとファミマの経営統合により、サークルKとサンクスのファミマへの転換が決定。店舗閉鎖や衣替えが進められてきた。ブランド一本化で、ファミマは約1万7000店舗に拡大し、セブン-イレブン・ジャパンに次ぐ業界2位に躍り出た。(毎日新聞)