セブン&アイ・ホールディングスが12日発表した2023年3─8月期の連結営業利益は前年同期比2.7%増の2411億円で上期として過去最高となった。期初計画を上回って推移している国内コンビニ事業がけん引した。

国内コンビニ事業の営業利益は同9.3%増と大きく伸びた。1店舗あたりの売上高(全店平均日販)が初めて70万円を超えた。

一方、海外コンビニは同2.4%減となった。第1四半期に前年同期の原油価格が歴史的高値水準だった影響で大きく利益が減少し、その影響が残っている。米国ではインフレにより消費環境が厳しくなっている。同社では、高品質なオリジナル商品の品ぞろえを強化する方針。プライベートブランドなどオリジナル商品の売り上げ構成比率を25年度には33.5%に高めていく。22年度は24.4%だった。

円安は、営業利益段階で97億円のプラス要因となった。前提為替レートは、9月1日の業績見通し修正時に1ドル131円から137円に見直している。

24年2月期の営業利益予想は5250億円で据え置いた。同社は、9月1日に営業利益予想を5130億円から引き上げている。そごう・西武売却関連損失として約1331億円の特別損失を計上したため、純利益予想は同18%減の2300億円とした。

丸山好道CFO(最高財務責任者)は「米経済や為替が不透明であり、利益段階は数字を据え置いた」と述べた。IBESがまとめたアナリスト13人の営業利益のコンセンサス予想平均値は5121億円だった。

一方、売上高に相当する連結営業収益予想は11兆5270億円から11兆4320億円(前年比3.2%減)に下方修正した。

同社は、9月1日にそごう・西武を米ファンドへ売却した。井阪隆一社長は「懸案があり成長領域に向けてタクトが振れない時期があった」と述べ、今後、商品開発や海外コンビニの成長などにもっと時間を割いていきたいと語った。(ロイター通信)