コンビニエンスストア大手のファミリーマート(東京)が、おにぎりや弁当などのプライベートブランド(PB)商品の製造を委託している業者20社に支払 う代金から総額約6億5千万円を不当に減額したとして、公正取引委員会は25日、下請法違反で同社に業者への代金返還と再発防止を勧告した。勧告内容の公 表が始まった平成16年以降4番目の返還額という。

 公取委によると、同社は26年7月~今年6月、新規開業店舗のオープンセールで、PB商品の製造委託業者に対し、売れ残ったPB商品の代金の一部を「開店時販促費」として負担させ、下請け代金を不当に減額していた。

 このほか、「カラー写真台帳」と呼ばれる店舗向け新商品案内の製作費を負担させたり、期間限定の割引セール対象商品の値引き相当額を負担させたりしており、総額約6億5千万円が違反と認定された。

 同社は「勧告を真摯(しんし)に受け止め、全従業員に周知徹底するとともに再発防止に努めていく」としている。

 同社はコンビニ業界3位で、昨年、中部地方を中心に展開するココストア(名古屋市)を完全子会社化し、国内店舗数は約1万2千店に拡大した。

 9月1日には、業界4位のサークルKサンクスを傘下に持つ流通大手ユニーグループ・ホールディングス(GHD)と経営統合することで基本合意しており、統合すれば業界2位に浮上。最大手のセブン-イレブン・ジャパン(約1万8千店)と規模で肩を並べることになる。

 公取委は「特に経営統合をにらんで勧告したわけではない」としているが、公取委関係者は「大手企業の中で違反行為が行われていたのは残念。身ぎれいな形で経営統合してほしい」と語った。

(産経新聞)