豊山町の県営名古屋空港で、全国で唯一の店舗となった「K’sCAFE(ケーズ・カフェ)」が営業を続けている。同カフェはコンビニ店「サークルK」の併設店として各地にできたが、サークルKがファミリーマートに統一されて姿を消している。

 名古屋空港内の同カフェは二〇一五年一月に開店。サークルKの隣の約四十六平方メートルを仕切り、二人掛けのテーブル七つとカウンター十三席がある。営業は午前六時十五分~午後八時。

 開店当初はパスタなど食事メニューもあったが、現在はモーニングセット(三百六十円)とパンケーキ、レジ横に置くサンドイッチに限られる。飲み物はコーヒーとカフェラテ、ソフトドリンクをそろえる。

 ファミリーマート(東京都)とユニーグループ・ホールディングス(稲沢市)が一六年に経営統合して「ユニー・ファミリーマートホールディングス」(東京都)となり、全国のサークルKとサンクスの店舗は来年八月末までにファミリーマートに改装する方針を打ち出している。

 フランチャイズ契約でカフェを運営する名古屋空港ビルディングなどによると、ケーズ・カフェは名古屋市港区や岡崎市など全国で七、八店あったが、一六年から各地の店が閉店。今年七月に岡崎市の店が閉まり、名古屋空港が全国で最後の店となった。

 友人らと青森へ旅立つ前にモーニングセットを味わった稲沢市の主婦大島すみ子さん(74)は「早朝に飛行機に乗ることもあるので、空港に来たときはよく利用する。全国で唯一の店と聞いてびっくりした」と驚く。

 名古屋空港ビルディングの担当者は「空港内にカフェ形式の店はここしかなく、旅客の憩いの場として必要」と話し、同様の店舗継続を模索している。

 ユニー・ファミリーマートホールディングス広報は「サークルKに関することは回答しかねる」とする。(中日新聞)