ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)と筆頭株主の伊藤忠商事は1日、金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック関連事業の新会社を同日付で設立したと発表した。独自のポイントや電子マネーの開発のほか、クレジットカードなどの関連事業も視野に入れる。コンビニエンスストアやスーパーの顧客基盤を生かし、収益の柱に育てる。

 ユニファミマHDが72.33%、伊藤忠が27.67%出資し「UFI FUTECH(ユーエフアイ フューテック)」(東京・豊島)を設立した。1年以内に具体的なサービスの実現を目指す。買い物客が決済やローンを一体利用できるアプリの開発やクレジットサービスの強化を目指す。

 ユニファミマHDは傘下のファミリーマートを通じてTポイント・ジャパン(東京・渋谷)に出資し、共通ポイント「Tポイント」を国内の全コンビニ約1万8千店で導入している。新会社はTポイントとは別に、自前のポイントや電子マネーの開発を検討する。

 ユニファミマHDの資本・業務提携先であるドンキホーテホールディングスとポイントや電子マネーの共通化も検討。ドンキHD以外の企業にも連携を広げる方針だ。

 小売業ではイオンやセブン&アイ・ホールディングスが銀行業に参入し、イオンはクレジットカード、セブン&アイはコンビニでのATMの利用手数料で稼ぐ事業モデルを確立している。ローソンも銀行業への参入に向けた準備会社を16年に設立し、18年めどに参入を目指している。

 ユニファミマHDは「銀行業の免許を持たなくても取り組める部分は多い」とし、銀行業への参入には慎重な姿勢だ。新会社でスマートフォンを活用する電子マネーやポイントを開発することで、流通業の顧客に金融サービスを十分に提供できるとみている。(日本経済新聞)