八坂神社前の京風ローソン閉店へ 観光客増、地価高騰影響か

京都の街並みにマッチした和風の外観で知られる「ローソン八坂神社前店」(京都市東山区)が来年1月上旬で閉店することが、9日までに分かった。土地や建物の賃借条件をめぐる交渉で家主と折り合えなかったため。訪日外国人の急増を受けた宿泊施設の建設ラッシュなどで周囲の地価が高騰しており、一定の影響を受けたとみられる。京都を訪れる観光客や地元住民にも親しまれた名物コンビニ店が姿を消す。

同店は八坂神社と東大路通を挟んだ西向かいにあり、1997年のオープン。市の屋外広告物条例や地元の市民グループの要望などを踏まえ、祇園地域の景観との調和を図った。

ローソンは一般に青地に白色の看板だが、同店は白地に濃い茶色の字体を使用。ガラス窓には格子をあしらうなどし、歴史ある観光地の象徴的なコンビニとして全国的に注目された。2008年には、市の「優良屋外広告物賞」で第1号の最優秀作品に選ばれた。

ローソン広報室は、閉店理由について「家主との契約更新に際して提示された条件が合わなかった」としている。今年9月に府が発表した基準地価で、東山区の商業地は前年比15・7%増と府内市区町村で3番目の上昇率を記録している。(京都新聞)

 

<参考>

コンビニ写真館(ローソン八坂神社前店)