コンビニ標準店舗にもかかわらず店内レイアウトが大幅に変更されたセブンイレブンが登場

月刊コンビニ5月号で新レイアウト店舗について井阪社長の商品展示会のプレス向け説明の一部として記載されています。(2017年4月追記)

20店舗ほどで新レイアウトをテストしたところ、日販が3~5万円向上したことが確認できました。2017年度で既存店約800店舗と新店約1100店舗で導入予定です。2021年度までに既存店1万店舗プラス新店舗1万7000店舗を新レイアウトにする予定です。詳しくは月刊コンビニ5月号(2017年5月24日発行)をご覧ください。

コンビニのレイアウトといえば、どのチェーンもビル内出店や狭小店舗などの特殊立地を除きほぼ同じレイアウトになっています。入口すぐの場所にレジカウンター、窓側には雑誌売り場、お弁当やドリンクは奥の壁側・・・といった感じになっている店舗が大半です。

愛知県豊橋市問屋町にある「セブンイレブン豊橋問屋町店」は2017年2月16日に改装されリニューアルオープンしました。

駐車場の全面舗装張替・店舗外壁の変更のほか、店内の全面改装も行われました。店内に関しては、これまでのセブンイレブンとは異なった内装レイアウトになっています。

改装工事中のセブンイレブン豊橋問屋町店

改装工事中のセブンイレブン豊橋問屋町店

セブンイレブン豊橋問屋町店

セブンイレブン豊橋問屋町店

セブンイレブン豊橋問屋町店

セブンイレブン豊橋問屋町店

まず、駐車場からお店を見ると違和感を感じます。通常店舗であれば雑誌売り場になっている窓ガラス(3枚)が白くなっています。同様にレジ・銀行ATM・コピー機などがある入口脇の窓ガラスも白くなっています。通常であればコンビニは店内が外からよく見えるようにレイアウトするのが常套手段ですが、このリニューアル店舗では窓ガラスの半分以上を塞いでいます。もちろん改装前は標準的なレイアウトの店舗で雑誌売り場や立ち読み客も駐車場や道路から見えていました。

店内に入ってまず驚きました。この店舗での大きな変更箇所は以下の通りです。

  1. ジカウンターが入口横から入口から最も遠い店舗奥に移動
  2. レジカウンターがあった場所にお弁当やおにぎりなどのオープンケースを配置
  3. ゴンドラの配置を横方向から縦方向に変更(改装前:3島→改装後:6島)
  4. 雑誌売り場を中島ゴンドラに組み込み ※2017年7月時点、窓側配置(雑誌ゴンドラ3本+コミック棚1本)に戻りました。
  5. 冷凍食品用の冷凍ケースを雑誌売り場だった窓側に配置
  6. 「アイスコールド コカ・コーラ」の導入
  7. レジカウンター背面に「7」ロゴ(おしゃれデザイン)を配置

改装前後の簡略図を作ってみたので比較してみてください。

改装前の店内レイアウト

改装前の店内レイアウト

改装後の店内レイアウト

改装後の店内レイアウト

建物構造自体は大きな変化はありません。旧レイアウトにあったレジ裏の事務所が撤去されています。

店内配置が一般的なコンビニと違うため、手書きで書かれた吊り下げ式POPが掲示されていました。広くないコンビニ店内でも商品がどこにあるかが分かりにくい印象でした。レジが店内の最も奥になったのは防犯上の観点からは好ましくないように感じますが、店内滞在時間を長くさせることによる衝動買いには有効な気がします。特にセブンカフェだけ、タバコだけ購入するお客さんは嫌が応にもお店の奥まで行かなければなりません。

雑誌売り場が窓側から店内中央に移動したところも非常に興味深い点です。定説として雑誌売り場に立ち読み客が居れば、そのコンビニにはお客さんが入りやすいというのがありました。今の時代は雑誌の売上こそコンビニは書店を越えていますが、そこまで重要な位置づけではなくなってきているのではないでしょうか。特にセブンイレブンでは立ち読みを禁止している店舗が多くなってきています。ただ、防犯上の観点からは、雑誌売り場を移動して他の什器(冷凍庫)を設置して窓ガラスを塞ぐことは好ましくありませんが、防犯カメラを増設するなどの対策で回避することは可能かもしれません。

店内レイアウトのほかに、都心部のビル内店舗にあるようなおしゃれなロゴマークをレジカウンターの背面に掲示しているのは、地方にあるロードサイド店舗では非常に珍しく感じました。最近のコンビニは内装を簡素化している傾向が強く、白い無地の壁紙ばかりで無機質です。古い店舗には各社のイメージラインカラーは配置されています。サークルKサンクスも2010年頃から新店舗や改装店舗でレジカウンター背面を赤色にして白抜きロゴマークを設置している店舗が増えてきましたが、ファミリーマートとの経営統合が決定する少し前から省略されてしまうようになってしまいました。

このセブンイレブンのように大胆にレイアウトを変更した店舗はとても珍しいと思います。今後の標準レイアウトになっていく可能性もあります。

<店舗情報>

セブンイレブン豊橋問屋町店(愛知県豊橋市問屋町2番地5)

当記事に関しての告知

月刊コンビニ 2017年6月号(2017年5月24日発売)にて当サイトのページで紹介しているセブンイレブン豊橋問屋町店(記事上では愛知県T市のTT店と記載)と同じ店舗を題材にした特集記事「コンビニ業態の変革を促すセブン-イレブンの新売場レイアウト」が記載されていますが、月刊コンビニと当サイトは一切関係ありません。当サイトでは2017年2月に改装中の店舗とリニューアルオープン後の店舗を現地取材し2017年3月5日に記事公開を行っています。その後、2017年4月6日の2017年2月期セブンイレブン決算発表で店舗レイアウトの刷新に関しての公式発表が行われています。当サイト利用者の方よりご指摘があったため告知させていただきました。(2017年4月に月刊コンビニ5月号にてレイアウト変更に関する記事が掲載されていたことを紹介させて頂いております。)

2017/05/26追記