セブン―イレブン・ジャパンが昨年末に大阪府東大阪市の元店主とのフランチャイズ・チェーン(FC)契約を解除したことをめぐり、元店主が解除無効などを請求する一方、同社も店舗の明け渡しを求めた仮処分申し立てで、大阪地裁は23日付で、いずれの申請も却下する決定を出した。

 仮処分を申請していたのは「セブン―イレブン東大阪南上小阪店」元店主の松本実敏さん(59)。昨年2月、人手不足から本部の反対を押し切って時短営業を導入し、コンビニ大手が24時間営業の原則を見直す流れにつながった。

 だが、客からの苦情件数の多さやツイッターでの本部批判を理由に、昨年末にFC契約を解除された。それを受け、今年1月に解除は無効だとして店主の地位確認を求める仮処分を申し立てていた。

 その後、店を臨時休業とし、本部側が所有する店舗の引き渡しも拒んでいた。そのため本部も仮処分を申し立て、契約解除は有効だとして松本さんに店舗の明け渡しを求めていた。

 仮処分は判決などを待たずに急いで権利を保全する必要がある場合の暫定措置だ。地裁は、松本さんの顧客対応やツイートによる本部批判は契約の解除事由に当たるとして松本さんの主張を退けた一方、店舗を傷つけるといった行為がないことなどから、すぐに建物を明け渡す必要性はないと判断。双方の申し立てを却下した。

 決定を受け、松本さんは25日の会見で「時間がないなかで十分に立証できず、不本意な部分もある。本訴では真実、事実を訴えていく」と述べた。本部は「決定の内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。

 仮処分とは別に、松本さん側は地位確認などを、本部側は建物の明け渡しなどを求める訴訟も同地裁に起こしている。(朝日新聞)