流通大手ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は11日、子会社の総合スーパー「ユニー」の全株式を提携先のドンキホーテHDに売却すると発表した。
同時に株式公開買い付け(TOB)により、ドンキHDの株式を最大20・17%まで取得し、グループ会社にする。ユニー・ファミマとドンキが連携を強化し、総合スーパー事業はドンキ主導で収益性を高め、ユニー・ファミマは、コンビニエンスストア事業に経営資源を集中させる。
ドンキはすでにユニー株の40%を保有しているが、来年1月に残りの60%をユニー・ファミマから282億円で買い入れ、ユニーを完全子会社にする。一方、ユニー・ファミマによるドンキへのTOBは1株6600円で、11月上旬から開始する。取得額は2119億円。ドンキの上場は維持する予定だ。
ユニー・ファミマHDとドンキHDは昨年夏に提携し、一部のユニーの総合スーパーを、ドンキの手法を活用した新業態店舗に転換し、これまで総合スーパーとしては取り込めなかった若い顧客の来店が増え、収益が大きく改善している。ドンキHDでは来年にも約20店舗での業態転換に取り組む方針を示しており、完全子会社化で、このペースを加速する考えだ。
また、ドンキHDは来年2月1日付で社名を「パン・パシフィック・インターナショナル」に変更することを11日に発表。環太平洋地域での小売業としての発展を目指すという。(産経新聞)