セブン-イレブン・ジャパンは11日、自社のスマートフォン向けアプリ「セブン-イレブンアプリ」にソフトバンク系スマホ決済「ペイペイ」を10月をめどに導入すると発表した。
アプリ利用者の決済時の利便性向上と、コロナ禍における決済時の接触機会を減らすのが目的。同アプリに決済機能が搭載されるのは、グループ会社が開発したバーコード決済「7pay(セブンペイ)」の不正利用問題が起きた昨年7月以来となる。
セブン-イレブンアプリは現在、販売促進のためのクーポンや購入金額に応じたマイレージポイント「セブンマイル」の配布といった機能が主で、利用者数は7月末現在で800万人を突破している。グループ独自の電子マネー「nanaco(ナナコ)」と紐づけることは可能だが、決済時にナナコのカードなどを提示する必要があった。
今回のペイペイ導入ではセブン-イレブンアプリの中に決済機能としてペイペイが組み込まれる仕組みとなるため、レジでのスマホ操作が1つのアプリで完結する。同アプリ内のペイペイ決済はセブン-イレブンの店舗だけでしか利用できないが、ペイペイで決済すると付与されるポイント「ペイペイボーナス」は受け取ることができる。
セブン-イレブン・ジャパンの広報担当者は「ペイペイは3千万人以上の利用者がおり、スマホ決済として魅力的だ。アプリの決済機能を利用者の多いペイペイにすることで利便性もさらに向上できる」とする。
セブンは、キャッシュレス決済の浸透が店舗従業員の負担軽減につながるとの観点から、決済機能を搭載すべく7Payを昨年7月1日に導入したが、直後に不正利用が相次いだため、7Payは廃止に追い込まれた。店頭でのキャッシュレス決済比率は昨年6月の34・8%から今年2月には44・1%にまで増えたが、「ウィズコロナの中で、キャッシュレス決済は増やしたい」(セブン広報)ものの、7月現在で約45%とほぼ横ばいが続いている。(産経新聞)