九州電力がコンビニエンスストア事業に乗り出す方針であることが分かった。今年から営業所内にローソン店舗を開業させる計画。家庭向け電力や都市ガスの小売り全面自由化で競争環境が激化する中、気軽に立ち寄れるコンビニを併設することで営業所をより身近な“情報発信基地”とする狙いがあるとみられる。コンビニ大手3社などによると、電力大手が営業所にコンビニを併設するのは初めて。

九電の営業所は九州各県に計50カ所あり、電気についての問い合わせやオール電化の相談など顧客対応の窓口となっている。ほとんどが市街地にあり、コンビニを開設すれば集客が見込める。どこの営業所に併設するかは検討中。

エネルギー業界を取り巻く環境は、昨年4月の電力小売り自由化に続き、今年4月からは都市ガス小売り自由化で競争が激化している。九電の各営業所は電力顧客の離脱防止とガス顧客の獲得に向け、近くの商業施設やスーパーでの一日営業店や街頭でのビラ配りなどの取り組みを強化している。

一方、ローソンは九州に1261店舗(3月末現在)を展開。同社は2022年2月期までの中期経営計画で国内店舗数を約4割増の1万8000店にする目標を掲げている。コンビニ業界首位のセブン-イレブンや2位のファミリーマートも出店戦略を強化しており、競争が激しくなっている。(毎日新聞)