セブン―イレブン・ジャパンの永松文彦社長は29日までにインタビューに応じ、従業員のシフト管理を自動で行うシステムを全店(約2万1000店)で導入すると明らかにした。従業員の作業割り当てや人繰りを自動化することで、過重労働が社会問題化する加盟店オーナーの事務負担を軽減し、労働環境を改善したい考え。

 このシステムでは、客数や商品の納品数を基に品出しや店内調理などの作業量を分析し、自動で従業員のシフト表を作成できる。現在約1000店で実証実験しており、永松社長は「システムはほぼ完成に近づき、多くの店から良い評価を得ている」と強調。2022年2月期中に全店へ拡大する方針を示した。

 一方、24時間営業の強制や本部社員による商品の無断発注など、公正取引委員会が調査に乗り出した加盟店との関係について、「本部社員が9000人を超え、コミュニケーションに目詰まりが起きていた」と反省。社員の評価制度をプロセス重視に改めたほか、各地域の統括責任者が店を週2日巡回するなど、「オーナーと膝を交えて話ができる体制を整えた」という。

 また、今後の国内新規出店計画については「まだセブンがない地域がかなりあり、潜在的需要がある」と指摘。国内コンビニ市場は飽和状態を迎えているが、来期以降も今期(約600店)と同程度の出店ペースを維持する方針を表明した。(時事通信)