ローソン社員の間で、自身が開店を担ったフランチャイズ店で収入印紙を大量に買って売上高をかさ上げする行為が全国的に横行していたことが、社内調査で分かった。上司の指示や、約100万円分の自費購入もあった。横行した2018年度に、どんな事情があったのか。

発端は、ことし3月、朝日新聞の報道で明らかになった。ローソンの広報は当初、かさ上げ行為を少なくとも10件、関東で確認したと説明した。しかし、その後の再調査で、かさ上げとみられる行為が40件以上にのぼり、北海道から沖縄まで全国に広がっていた。

かさ上げの手段として指摘があった収入印紙の販売状況を調べたところ、18年度は1回100万円以上の取引が43件あった。50万円以上だと計79件、30万円以上では合計108件に達した。「大半は社員の購入とみている」と広報は話す。 ■評価制度導入後に急増  背景には18年度に導入した評価制度がある。場所を探すなど出店を担当する本部社員は、手がけた店数が多いほど賞与が増える。

ただ、出店した翌月の1日あたりの売上高(日販)が、当初の年平均予測の80%に届かないと1店と認めない。65%に届かなければマイナス1店とみなす。評価は、上司や同じエリアを担う社員にも適用した。

導入前後の100万円以上の購入件数をみると、直前の17年度は6件。18年度に43件に急増した。社員の印紙購入を禁じた19年度はゼロだった。20年度からは印紙の売上高を評価に関わる売上高から除いたという。(朝日新聞)