トヨタ自動車は8日、セブン―イレブン・ジャパンとファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社と、水素で走る燃料電池(FC)小型トラックの配送実験を2021年春から始めると発表した。

 新開発のFCトラックを1台ずつ提供し、水素ステーションの配置や燃料の価格などを検証する。稼働の多い商用の燃料電池車(FCV)の普及を進め、水素の需要の拡大につなげるねらいだ。

 FCトラックは日野自動車のトラックをベースにし、積載量は3トンで航続距離は約260キロ。今月発売されるFCV乗用車の新型「ミライ」と同じ燃料電池を搭載。22年にはさらに台数を増やす予定。将来は航続距離約400キロをめざす。

 燃料を補給する水素ステーションは全国で約140カ所にとどまる。コンビニ店への配送など決まったルートを頻繁に走る商用車のほうが水素ステーションの設置が進めやすくなるとされる。トヨタは19年にセブンとFCトラックによる配送を始めており、大手3社に広げる。

 トヨタはFC大型トラックの開発も進めており、ヤマト運輸など5社と22年春ごろから実証実験をする。FCバス「ソラ」も18年に発売。商用でもFCVの展開を加速させている。(朝日新聞)