セブン&アイ・ホールディングスは7日、2022年2月期の連結営業収益予想を8兆3090億円(前期比44.1%増)に引き上げると発表した。従来計画は8兆0380億円。海外コンビニ事業が上振れた。

海外コンビニ事業の営業収益は、ガソリン販売量の増加などが寄与し、3500億円上方修正され、4兆7210億円(同9.5%増)を見込む。海外コンビニ事業では、10月にインドに進出したことを明らかにした。

5月に連結化した米「スピードウェイ」は、3年後の23年5月―24年4月のシナジーを再検討したところ、プライベートブランドの見直しやスケールメリットなどにより6―6.5億ドルへと従来見通しを上方修正した。

一方、スーパーストア事業、百貨店・専門店事業、国内コンビニ事業はそれぞれ下方修正された。国内コンビニの既存店売上高は、3―5月期は3.3%増となったものの、6―8月期は新型コロナウイルスの変異株拡大で0.3%減と苦戦。上期の既存店売上高は1.5%増となるものの一昨年の水準に戻っていない。通期では1.8%増を見込んでいる。

井阪隆一社長は会見で、新型コロナによって「より行動範囲が狭まって、小商圏化が進んでいる」と指摘。国内コンビニは、一昨年比で客数は戻っていないが、客単価は上回っているという。こうした変化に対応して、冷凍食品や野菜などの素材の取り扱いを増やしているほか、現在2店舗でテストしているスマホレジやセルフレジの導入により、生産性を上げていきたいとしている。

連結営業利益は3800億円(前年比3.7%増)、純利益は1900億円(同6.0%増)の予想を据え置いた。営業利益は、海外コンビニ事業の見通しを125億円上方修正したものの、百貨店・専門店事業における同額の下方修正で相殺された。国内コンビニとスーパーストア事業は営業収益を下方修正したものの、経費効率化などにより、営業利益予想は据え置いた。

IBESのコンセンサス予想によると、アナリスト14人の通期営業益予想の平均値は4112億円となっている。

純利益は、上期時点で計画比上振れていたが、米国の増税案が年内に成立した場合の影響をリスク要因として勘案し、従来見通しを据え置いた。

21年3―8月期の連結営業収益は3兆6464億円(前年同期比30.8%増)、営業利益は1861億円(同3.6%増)となった。 (ロイター通信)