コンビニの課題を議論する経済産業省の有識者検討会がまとめる最終報告書の案が二十八日、判明した。上昇する従業員の人件費の一部をコンビニの本部が支払うことやフランチャイズ契約の短期化など、オーナーの負担軽減に向けた施策が柱で、持続可能な経営を目指した改革の必要性を訴える。来月六日の検討会で公表する。

 経産省は昨年十二月の検討会で、画一的な二十四時間営業の見直しや食品廃棄削減の取り組み推進を盛り込んだ骨子案を公表した。最終報告書案ではこれらに加え「本部が一部負担するなど、円滑に吸収できる仕組みを検討するべきだ」と指摘。人手不足による人件費上昇への対応の必要性を強調した。

 現状はアルバイトの人件費などの経費は加盟店の負担が原則で、経営を圧迫する要因になりやすい。加盟店がコンビニ本部へ支払うロイヤルティーに関し、一部のコンビニチェーンでは、経費を差し引いた後の利益を基に計算する仕組みの導入方針を表明しているが、大半では経費を差し引く前の粗利を基に計算しているのが実情だ。

 また、オーナーの納得感を高めるため情報開示などの取り組みが必要としたほか、本部と加盟店の利益配分に関し、水準や仕組みの見直しも訴えた。

 オーナーの高齢化を踏まえ、円滑な承継のために契約期間の見直しも促した。最大手のセブン-イレブン・ジャパンの契約期間は原則十五年間としており、より短期の契約の検討を提案。期間満了前の解約で障壁となる高額な違約金の見直しも求めた。

 オーナーとのコミュニケーション強化のために裁判外紛争解決手続き(ADR)の検討を要請。オーナーが相談しやすい環境を確保するのが狙いで多数の委員から相談体制の整備が必要との声が上がっていた。(中日新聞)