日本フランチャイズチェーン協会は20日、2019年12月末の全国のコンビニエンスストア店舗数が速報値で5万5620店だったと発表した。

前年末の5万5743店に比べ、123店(0・2%)減少した。比較可能な05年以降、年末の店舗数が減少に転じるのは初めてだ。

店舗数が減少したのは、加盟店1店あたりの売り上げが伸び悩むようになり、大手各社が新規出店を抑制する方向にかじを切ったためだ。出店を増やして売り上げを伸ばすビジネスモデルは転換期を迎えている。

協会は、セブン―イレブン・ジャパンやファミリーマート、ローソンなど、主要7社の店舗数を集計している。集計によると、19年9月以降、月次ベースでは閉店数が出店数を上回り、前月に比べて4か月連続で減少している。直近のピークは19年2月の5万5979店だった。

コンビニは、1974年にセブンが東京都内に第1号店を開業した後、拡大を続けてきた。各社は一定の地域に集中的に出店する「ドミナント」と呼ばれる戦略を採り、百貨店や総合スーパーが苦戦するなかでも、高い収益力を誇ってきた。

だが、全国でコンビニが増えるにつれ、来店客数が伸び悩むようになった。人口減少に加え、ドラッグストアなど他業態との競争が激しくなっていることも逆風となり、19年の売上高の合計は、既存店ベースで前年比0・4%増の10兆3421億円と微増にとどまった。一方で、人手不足により人件費が上昇しており、加盟店の経営が苦しくなっている。

大手各社は、セルフレジの導入など業務の負担を減らす省力化を進めるほか、加盟店が支払うロイヤルティーと呼ばれるブランド使用料を見直すなど、新規出店よりも加盟店の支援に力を入れるようになっている。

ファミリーマートの沢田貴司社長は「コンビニは飽和状態にある。大量出店の時代は終わった」と話しており、業界では、今後もコンビニの店舗数は頭打ち状態が続くとの見方が強い。(読売新聞)