公正取引委員会が、コンビニエンスストア業界の実態調査を検討していることが6日、分かった。深刻な人手不足を背景に、大手チェーンの加盟店主から24時間営業の見直しを求める声が上がっている。今夏にも加盟店主らを対象にしたアンケートを実施。本部が一方的に加盟店の要望や契約条件の変更などを拒否していないかを調べる。

公取委は毎年、業界を選んで実態を調査しており、コンビニ業界を対象にするのは2011年以来、8年ぶり。山田昭典事務総長は5日の記者会見で「24時間営業の問題は、社会的関心が高まっている。店主が不当に不利益を受けていないか、関心を持っている」と話していた。

独占禁止法は、大企業などが強い立場を利用して取引先に不当に不利益を与える行為を禁じている。公取委は、人手不足で従業員が十分に確保できなかったり、人件費が急騰して利益が大幅に減ったりする場合を想定。本部が加盟店からの24時間営業の見直し要求を一方的に拒否すれば、独禁法違反になる可能性があるとみている。

大手コンビニ各社は4月、経済産業省の要請を受け、セルフレジの導入や24時間営業を見直す時短営業の実験開始などの対策をまとめた。公取委は、アンケートを通じ、こうした取り組みの実態も調べるとみられる。(時事通信)