コンビニ「24時間」強要に独禁法適用検討 公取委
公正取引委員会が、コンビニエンスストアのオーナーに対する24時間営業の不当な強要に、独占禁止法の適用を検討していることが24日、分かった。立場が弱い取引先を保護する、独禁法上の「優越的地位の乱用」適用の可能性を探る。
公取委の山田昭典事務総長は同日の会見で、オーナーが人手不足、人件費の高騰などを背景に24時間営業の見直しを求めた際、「コンビニ本部側が一方的に拒んだ場合は独禁法(違反)にあたる可能性は排除できない」と述べた。
両者はフランチャイズ契約時に、営業時間を取り決めているが、一部の店舗では24時間営業が困難になっているケースも出ている。それでも本部側が見直しに応じない場合、独禁法の適用が可能かを判断する。
山田氏は、「取引上の地位が勝っている方は、劣位にある人と交渉を行う場合、相手方の言い分(を聞き)、内容をきちんと説明するのが重要だ」としている。
経済産業省が実施したコンビニオーナーへの調査では、8割が従業員の人件費上昇を不安に感じている。人材確保のため24時間営業の見直しや、外国人の活用が有効と訴える声もあった。経産省は現状を問題視し、コンビニ各社に人手不足対策に向けた行動計画の策定を求めており、25日にもコンビニ大手は公表する。コンビニ大手は営業時間の短縮実験に加え、セルフレジの導入や新規出店の数を減らすなど対応に追われている。(産経新聞)