「空白の1日」佐渡で大手コンビニなくなる 原因は…
佐渡島から大手コンビニがなくなる――。
といっても14日の1日だけだが、新潟県佐渡市のあちこちで「空白の1日」が話題になっている。現在、島内にあるコンビニチェーンの「セーブオン」8店舗すべてが「ローソン」に切り替わることになり、開店準備などで14日の営業ができなくなるためだ。
全国でコンビニを展開するローソン(本社・東京都品川区)と北関東が中心のセーブオン(本社・前橋市)は、昨年1月に結んだメガフランチャイズ契約に基づいて、県内にあるセーブオンをローソンに転換する。
佐渡市がその第一陣になる。転換によるローソンの開店は、4店舗が2月15日、残り4店舗が3月22日の予定だ。佐渡島に出店するのは初めて。県内の残りのセーブオンは4月から5月にかけて順次転換される。
両社によると、市内のセーブオンは13日まで営業するが、14日はローソンへの改装や商品入れ替えのため閉店せざるをえない。14日は営業店ゼロで「空白の1日」となる。コンビニ常連客らは「1日とはいえ、コンビニで買い物が出来ない日が来るなんて」と嘆く。地元資本の小さなコンビニが1軒だけ両津地区にあるが、弁当やサンドイッチ、飲み物が中心で、品ぞろえでは大手と比較にならない。
同市では一昨年10月、全国展開する牛丼店の「吉野家」が初めて出店し、話題になった。人口が毎年約1千人減っている離島での経営を心配する声に、吉野家の担当者は「十分に採算がある」と答えていた。
牛丼に続くコンビニの全国チェーンの進出に、ある中年男性は「ローソンはパスタ系がおいしいと聞く。楽しみだ」と話す。地元のコメが大好きな女性も「セーブオンの弁当は佐渡産米ではないので、私も友達も買わなかった。今度はどんな弁当でしょうか」と期待する。
ローソンによると、ほかの地域と同じく品ぞろえは約3500点で、店内で弁当やサンドイッチなどを調理して出す「まちかど厨房(ちゅうぼう)」を展開する。ATMを設置し、ゆうパックなども取り扱う。15日には佐渡佐和田店でオープンセレモニーがある。(朝日新聞)